最近の旦那、朝から妙に姿勢がいい。
パソコンに向かって背筋がシャキッ。
しかも、指先がやけに丁寧に動いている。
……どうやら、ブログを始めたらしい。
きっかけは、例の“カメラ売却(🐾謎のクリック地獄)”。
パンダがキャラのフリマアプリで思いのほか高値がつき、
「パソコン買って、ブログ始めて、書いて、稼いで、暮らす!」と、
いきなりエンディング直前の人生設計を語り出した。
40代〜60代によく発症する、“はじめたい病”。
うろうろしてる合間にブログを立ち上げたかと思えば、
無料ブログで様子見…なんてこともせず、いきなりWordPress直行便。
そして数日後。できあがったサイトはというと――
キーワードは「不登校 × 子育て × しま暮らし × ネコ目線」など謎に満ち、
アイキャッチは、うろうろした時に撮った風景写真をとりあえず配置、
見出しは傾き、文字は微妙に手描き風、
「お問い合わせ」ページはなし(設定方法が分からないだけ)、
もはや、WordPressというより“自作新聞”である。
「何事も、走りながら考える。スティーブ・ジョブズも言ってた」
……などうそぶいている。
数日後――
「おぉ…アクセス、1…!」
目を見開く旦那。
「昨日は2だったから、今日は減ったけど…でもありがたいな~」とにっこり。
まるで神棚にコメ粒を供えるような神妙さで、カウンターを拝んでいた。
ただ、大きな謎が残っている。
誰が見てるんだ?
交友関係が“ほぼ未確認”なぶらぶら旦那のブログを、
いったい誰が、どこから、どう見つけたのか。
本人いわく、
「全国のどこかに、波長が合う人が1人か2人はいるはず」
……いや、それたぶん、自分のチェックか、奥さんと娘がスマホで見てくれたやつでは。
とはいえ、アクセス1でも「ありがとう」って言える人間は、案外すごいのかもしれない。
今朝も旦那は言っていた。
「これが、きっかけになる気がするんよな〜」
──う~ん
アクセス1から始まる壮大な妄想。