🐾「カルカン18歳から」と「本搾りレモン」――わが家の二大ロングセラー

鳴けば動く便利なやつら

ゴクゴク、ぷはあー。
氷をたっぷり入れて、何ともおいしそうに飲む旦那。
焼酎グラスにザッと注ぐその姿は、もはや儀式。
夕暮れと共に始まる“本搾りの刻”である。

わが家のこだわりといえば――
ネコであるワシが「カルカンまぐろパウチ 18歳から」一筋なら、
旦那は「KIRIN 本搾りレモン」に魂を預けて5年目。

「これやこれ。12%の果汁感が他とは違う」と自慢げに語るその横顔、もはやソムリエ。

先日はついに、元・キリンの“中の人”からの極秘情報まで仕入れてきた。

「もともとメルシャンの商品なんやで」
「キリンが2006年にメルシャンを子会社化したとき、果汁多すぎてコストがヤバいって話出たらしいけど、ファンが多すぎて継続されたんやと」

そんな裏話にもならないような話をドヤ顔で語りながら、また一口ゴクリ。

かつての旦那は、関西勤務時代に北陸や東北の知人に感化され、日本酒道へ。
「きりっと辛口以外は邪道」などとうそぶき、ちょっといい酒を冷やでくいっと。
さらに鹿児島、宮崎の知人ができると「芋はカメ仕込みが旨い」と、またうんちく祭り。

しかし、たどり着いたのは――
島のディスカウントで税込130円の「KIRIN 本搾りレモン」。
えらい落ち着いたもんである。

「果汁と炭酸だけってのが潔い」
「香料・甘味料・酸味料ゼロって、もう、酒の禅よ」

などと語りながら、グラスを傾ける日々。

そう、何もかもがシンプルになった今。
小さな冷蔵庫に収まる幸せ、130円で満たされる晩酌。
島ぐらしの風とともに、本搾りもまた、静かに長く続く習慣になっている。

それにしても、ワシといい旦那といい――
「一途」って、案外、飲み物でわかるのかもしれない。

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