人には、「貯め時」と「かかり時」という人生の波があるらしい。
で、うちの旦那方の家計は今――見事に「かかり時」ど真ん中。
しかも、ただの出費ではない。彼いわく、
「蓄えが、ブルドーザーに削られるみたいに消えていく…」
原因は明白。3人娘のうち、長女と次女が関西方面へ羽ばたいた。
ふたりとも国公立大学で、授業料はひとり年間53万5800円、
ふたりでドンと107万1600円也(※ほぼ自動車1台分)。
住居費? 各自月5万円。
仕送り? 時々。
心労? 年中無休。
「今、私学に行かれたら……終わるな」
旦那の目が、コツンと遠くを見つめるのは、カレンダーじゃなくて口座の残高欄である。
とはいえ、今年は次女が「多子世帯の大学無償化」の恩恵を一応受ける予定。
来年は三女が高校卒業。ここでまた勝負が動く(気がしてる)。
そんな火の車にブレーキをかけるべく、旦那が導入したのが「マネーフォワードME」。
家計簿アプリの王者、らしい。
「これ、すごいよ。口座が一元管理できるし、クレカも連携して、傾向が“見える”んだ」
と、すっかりデータ好きのおじさんへ進化した。
年間5940円。月495円。
高いか安いかは、本人のテンション次第だが、本人は「月500円で精神安定が買える」とご満悦。
「うちは、山谷が険しいなあ…」
「来月、○○の大きな支払いが来るぞ」
「車検代確保、車検代確保……」
と、画面に向かってぶつぶつつぶやいている。
もはや、“マネーフォワード財政予報士”。
近いうちに、「家計の週間予報」とか出しそうな勢いだ。
そもそも家計の管理は長年、奥さんの専売特許だった。
が、5年前の大喧嘩(🐾朝のもくもく修業)により、家計は旦那担当へ。
口座の棚卸し、クレカの一本化、支払いの引き落とし日統一――
まるで財務省の中の人みたいな手続きを、粛々と進めてきた。
その結果、ようやく家計は「破綻はしてないけど、綱渡り」という安定(?)フェーズへ。
誰も褒めてくれないけど、ワシは知っている。
今のこの生活は、月495円のデータ分析と、ブルドーザー級出費との戦いの上にあるのだ。
もうちょっとしたら、また「貯め時」がやってくる――かもしれない。
その日まで、旦那よ。
本搾り片手に、マネーフォワードとともに、進め。