旦那の誕生日。
今年は三女と二人で、夜の街へ繰り出したらしい。帰宅後、開口一番、「うまかったねー」「腹いっぱい!」とテンション高めにご報告。
どうやら相当いいものを食べた模様。
スマホを覗くと、そこには皿に乗ったイサキ、ヒラメ、ハガツオ、タイ、クエ、地物のウニ、ヒラス、ヒラスのハラミ、マグロ、地元牛のたたき……。
「刺身の盛り合わせ?」
と思った瞬間、三女が笑いながら一言――「寿司おいしかったね~」。
え、これで寿司!?どこにすし飯いる?
「あなた、すし飯さん、存在感ゼロですけど?」と問いたくなる。
ネタが極厚。もはや“ネタ on すし飯”という新ジャンル。
主役が出過ぎて、すし飯はもはや“エキストラ”。いや、画面の端で背景と化してるレベル。
「寿司ネタ、バグってたね〜」と、三女もニコニコ。
ふだんは外食すら面倒がる彼女が、自ら進んで付き合ってくれたというだけで、旦那は感無量だったろう。
誕生日の乾杯は、コーラと生ビール。親子でグラスを掲げる姿が写った写真は、島の夜の、ささやかながらも最高の一コマ。
うまい魚に、地元ならではの食材、肩肘張らない時間。
ああ、これが“島飯”ってやつか――。
ネタの厚みと、親子の時間。どちらも、じんわりと心に染み込んでくる。